ビジネスの裏側

徹底リストラで黒字転換パナ、シャープの“正念場”、増収増益でも「偽装」影響に怯える私鉄4社…中間決算から見える関西企業群「晴のち曇り」

関西企業の今年の9月中間決算がほぼ出そろった。前年に巨額の赤字を出したパナソニックやシャープは黒字化を達成したが、実情は円安の恩恵に加え“リストラ頼り”が大きく、本格回復にはほど遠い状況。一方、成長分野のスマートフォン(高機能携帯電話)への対応では、部品企業と娯楽企業で明暗が分かれた。全社が増収増益となった私鉄4社には、全国的な問題に発展した食品偽装の影がひたひたと忍び寄る。今年の中間決算にも各企業の“悲喜こもごも”が垣間見えた。

リストラで黒字化

 「進んでいる方向に間違いはないということが見えてきた」。パナソニックの津賀一宏社長は10月31日、東京都内で開いた中間決算発表会見でこう述べ、就任以来取り組むリストラの成果に胸を張ってみせた。

 パナソニックは前年同期の7千億円近い最終赤字から一転して、中間期としては過去最高の最終利益となった。津賀社長はプラズマテレビ向けパネルの生産終了のほか、国内の個人向けスマホからの撤退など、リストラを相次いで断行。赤字事業の整理には一定の道筋をつけつつある。

 しかし、課題事業として中国市場で収益が悪化したエアコンと、小型分野が不調のデジタルカメラを新たに加えるなど、本格成長への転換には道半ばな印象も感じさせた。

 シャープも、本業のもうけを示す営業利益で黒字化を達成した。主力の液晶パネルは、亀山第2工場(三重県亀山市)の稼働率が80%程度を維持。台湾の鴻海精密工業と共同運営する堺工場(堺市)も、大型テレビの引き合いが強く80%まで上昇するなど、回復基調が鮮明になったように見える。

 ただ、中国の補助金打ち切りの影響などで世界的に液晶パネルの需要は減少傾向。調査会社ディスプレイサーチのアナリストは「パネルが供給過剰となり価格下落が続いている。下期は需要が下振れするだろう」とみる。真価を問われるのはこれからだ。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/131117/wec13111718000004-n1.htm

【所感】
リストラで黒字になっているという事実は、日本経済からしてみたら「社長の手腕」かもしれませんが、雇用者にしてみれば「明日は我が身」ですから、失業者の増加に拍車をかける社会問題ですね。

食品偽装についてですが、どの企業もいつかはこの問題に直面していたわけですから、時期が早くて良かったのではないかと思います。

どういった経路でこの偽装が表沙汰になっていくのかという背景は企業によって違うと思いますが、ここに来て明らかにその数が増加していっているのは、集団的な意図を感じますし、黒幕の存在が気になるところです。