TI、ナショナル・セミコンを65億ドルで買収へ

米大手半導体メーカー、テキサス・インスツルメンツ(TI)は4日、ライバルのナショナル・セミコンダクターを約65億ドル(5460億円)の現金で買収すると発表した。携帯電話機や工業用設備、民生用電子機器などで使われる半導体の大手メーカー同士が統合されることになる。

 ダラスに本拠を置くTIはナショナルの株式1株に対して25ドルを支払う。これは4日の同株終値に比べて78%のプレミアムとなる。この買収計画は、低コストの資金と勢いを増している景気回復を背景に合併・買収(M&A)のペースが速まっていることを示している。両社の取締役会は統合計画を承認。両社は手続きが今後6~9カ月で完了すると見ている。買収実現には当局の認可を得なければならない。

 TIのテンプルトン会長兼最高経営責任者(CEO)は、ナショナルとTIの製品を合わせれば比類なき広範囲かつ厚みのある一連の製品群を顧客に提供できることになるとし、「両社を合わせたセールスチームは現在のナショナルの10倍になる。これまで以上の市場で、これまで以上の顧客にサービスできる」と強調した。

 携帯電話から工業用設備まであらゆるところで使われている半導体を製造するTIへの需要はリセッションで顧客の購入がほぼゼロになったあと、急速に盛り返している。TI同様に携帯電話や工業用設備、通信インフラ用の半導体メーカーであるナショナルへの需要も、リセッション時の低調な水準から回復している。同社は3月、2011年度第3四半期(12~2月)は売り上げは減少したが、コスト削減が奏功して、12%の増益になったと発表した。

 景気回復と低コストの資金を背景にM&Aが増えており、例えばAT&Tは最近、ライバルの携帯電話会社TモバイルUSAに対して390億ドルでの買収を提案した。昨年11月にはストレージメーカーのEMCが22億5000万ドルでのアイシロン・システムズ買収計画を発表した。

 4日の終値はTIが34.11ドル、ナショナルが14.07ドル。両株式は引け後にこの発表のために時間外取引で一時取引停止となった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000005-wsj-bus_all

日本の半導体メーカーも盛り上がるといいですね!